ESGはどこへ向かうのか?――2026年のトレンドから読み解くサステナビリティの転換期

RIMM Japan
2026年1月27日
2026年を形づくる重要なESGトレンドと、変化し続けるサステナビリティの潮流の中で、企業が一歩先を行くための視点を探る。
2026年の幕開けとともに、ESGをめぐる議論は数年前とは明らかに様相を変えています。問題はもはや「ESGは重要かどうか」ではありません。サステナビリティは新たなフェーズに入ったと言えます。ESGは単なる規制対応やレピュテーションリスクへの対処にとどまらず、企業価値の向上、オペレーショナル・レジリエンス、そして長期的な競争力を左右する要素として位置づけられ始めています。 本ブログでは、2026年を形づくる重要なESGトレンドと、変化し続けるサステナビリティの潮流の中で、企業が一歩先を行くための視点を探ります。
トレンド1:ESG規制は多角化。一方で、ステークホルダーの期待は変わらない
2025年第4四半期までに明らかになったのは、ESG規制がもはや一方向には進んでいないという事実です。IFRSサステナビリティ開示基準などのグローバル基準との整合を加速させる地域がある一方で、義務化のペースを落としたり、優先順位を見直したりする国・地域もありました。
変わっていないのはステークホルダーの期待です。投資家、金融機関、顧客、ビジネスパートナーはいずれも、意思決定に役立ち、比較可能なサステナビリティ情報を引き続き求めています。
2026年における企業へのメッセージは「コンプライアンス」ではなく「信頼性」を目指せ、ということです。規制が比較的緩やかな市場であっても、国際的に認知された基準を使って報告を行う企業ほど、信頼を獲得し、長期的な資本を呼び込む力を高めています。
トレンド2:ESGは「報告」から「戦略」へ
2025年後半に見られた最も大きな変化のひとつは、ESGデータの社内での使われ方です。かつては年次報告のための作業と捉えられていたESGデータが、いまや戦略策定、調達判断、全社的リスクマネジメントに組み込まれるようになりました。
企業の取締役会でも、以下のような本質的な議論が交わされるようになっています。
当社にとって最も重要なサステナビリティリスクはどこにあるのか
気候変動、サプライチェーン、人材といった分野で、どれほどの影響を受け得るのか
インパクトと財務的な強靭性の双方をもたらすESG投資は何か
こうした動きは、ESGデータが「報告用データ」から「経営データ」へと進化していることの証左です。
トレンド3:気候移行計画は「選択肢」ではなく必須要件に
2025年後半には、実効性のある移行計画を伴わない気候コミットメントが、もはや十分ではないことが改めて浮き彫りになりました。
投資家やステークホルダーの関心は、「何を目指すのか」から「どのように実現するのか」へと明確に移っています。
求められているのは、ガバナンス体制、前提条件、タイムライン、依存関係、そして財務的な影響に至るまでの透明性です。
トレンド4:社会・人的資本リスクの存在感が高まる
気候変動が引き続き中心テーマである一方、2025年第四四半期には、社会的要素への関心が再び強まりました。特に注目されたのは、人材のレジリエンス、スキル開発、サプライチェーンにおける労働慣行です。経済の不確実性、人材不足、地政学的な緊張が重なる中で、企業の社会的パフォーマンスは、これまで以上に「見える化」され、重要性を増しています。
2026年に向けて、企業には次の点をどのように実践しているかが問われます。
従業員のウェルビーイングを支え、定着率を高めているか
サプライチェーン全体にわたる人権リスクをどのように管理しているか
多様性があり、将来に備えた人材基盤をどのように構築しているか
社会関連データは、もはや「ソフトな情報」とは見なされていません。生産性、事業継続性、ブランド価値と直接結びつく要素として、環境パフォーマンスと並ぶ戦略的優先事項になりつつあります。
トレンド5:ESGの信頼性を支える基盤としてのテクノロジー
2025年後半に得られたもうひとつの重要な教訓は、手作業によるESG対応には限界があるということです。企業はテクノロジーの利用度を高めています。
デジタルESGプラットフォームは以下のことを可能にします。
部門・地域を横断したデータの自動収集
組み込み型の検証プロセスや内部保証のワークフロー
重複作業を避けつつ、複数フレームワークへの対応
パフォーマンス動向の可視化
2026年において、テクノロジーはESGにおける「あると便利なもの」ではなく、ESGの信頼性を支える基盤そのものです。
一歩先を行く企業は、2026年にどう備えているのか
新たな年を迎えるタイミングで、高い成果を上げる企業に共通の優先事項が見えてきます。先行する企業が注力しているポイントは次のとおりです。
柔軟性を備えた標準化 グローバルなフレームワークに沿って開示を整えつつ、各国・地域の要件にも対応できる余地を残す。
量より質を重視したデータ管理 指標の数を増やすことよりも、正確性、追跡可能性、意思決定における有用性を優先する。
部門横断の連携強化 財務、サステナビリティ、オペレーション、人事、経営層が、共通のプラットフォームとプロセスを通じて連携する。
将来を見据えたインサイトの活用 ESGデータを、シナリオ分析、投資判断、長期戦略の検討に活かす。
Rimmの視点:ESGの複雑さを「明確さ」へ
2025年後半を通じてクライアントを支援した経験からRimmが強く実感したことは、企業がESGでつまずく理由は意欲の欠如ではなく、複雑で常に変化し続ける環境だということです。
Rimmのプラットフォームは、まさにその複雑さをシンプルにするために設計されています。ESG対応初心者でも始めやすい仕組みを構築しています。
対応したい基準を選択するだけで、必要な開示項目が自動で提示され、各項目には分かりやすい説明ガイダンスが付いています。AI機能を活用することで、ESG対応をよりシンプルに進めることができます。
これからの展望:2026年を自信をもってリードするために
今後の一年で評価されるのは情報の多さではなく「明確さ」、スローガンではなく「実質」、そしてスプレッドシートではなく「仕組み」です。2026年のESGは、次々に発生する変化を追いかけることではなく、どんな変化にも対応できる強固で柔軟な基盤を築くことが重要になります。
質の高いデータ、信頼性のある開示、そして統合された戦略に投資する企業は、変化し続ける期待に先回りできるだけでなく、持続可能なビジネスの未来そのものを形づくる存在となっていくでしょう。
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