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【シリーズ】サステナビリティ開示基準が示す新時代④|ESGデータ収集の限界と「自動化」という選択

RIMM Japan

2026年4月24日

これまでのシリーズでは、ESG開示の変化や企業規模ごとの課題を見てきました。では実務で最も負担になるのは何か。その答えは、日々繰り返されるデータ収集と管理にあります。本記事では、開示疲れの背景を整理し、業務の重複や属人化をどう見直すべきか、自動化が果たす役割とともに考えます。

これまでのシリーズでは、ESG開示の本質的な変化から、企業規模ごとの課題までを整理してきました。 【シリーズ】サステナビリティ開示基準が示す新時代①|SSBJ導入で企業へどんな影響があるのか 【シリーズ】サステナビリティ開示基準が示す新時代②|サステナ推進企業が直面する「次のESG課題」 【シリーズ】サステナビリティ開示基準が示す新時代③|「まだ先」のESGが、急に現実になる瞬間 その中で多くの方が感じているであろう問いがあります。「結局、何が一番大変なのか」 実務に携わっている方ほど、その答えは明確かもしれません。それは判断でも戦略でもなく、日々の業務として積み重なっている「データ収集と管理」です。 ESG対応が難しいと言われる背景には、基準の複雑さや要求事項の多さが挙げられることもありますが、実際の現場で起きているのはそれ以上にシンプルな問題です。それは、同じような作業を何度も繰り返していることによる疲弊です。 本記事では、この「開示疲れ」の正体を丁寧に分解しながら、その構造をどう変えていくべきか、そして自動化がどのような役割を果たすのかを掘り下げていきます。

ESG対応が「面倒になる」理由

ESG対応の負担は、単純な業務量ではなく、業務の構造によって生まれています。

多くの企業では、ESG対応は「必要なときに対応する業務」として扱われています。評価機関からの依頼、開示資料の作成、投資家対応など、その都度データを集めて整形するという形です。

一見合理的に見えるこの運用ですが、実際には同じ情報を何度も扱う構造を生み出しています。

例えば、温室効果ガス排出量やエネルギー使用量といったデータは、複数の開示や評価において繰り返し求められます。しかしフォーマットや粒度が異なるため、そのたびに加工し直す必要が生じます。

この積み重ねによって、ESG対応は一度整えれば終わるものではなく、繰り返し発生する業務として固定化してしまうのです。

さらに、これらのデータは社内に分散しています。環境は現場、人材は人事、サプライチェーンは調達、ガバナンスは経営企画といった具合に、ESGは組織全体にまたがる情報です。

そのため、ESG担当者は毎回、各部署に依頼し、回収し、確認し、整形するというプロセスを踏むことになります。

この構造が、ESG対応を「重要だが面倒な業務」にしている本質です。



開示疲れの正体

こうした構造の中で生まれているのが、いわゆる「開示疲れ」です。

これは単に業務量が多いというよりも、同じ作業を繰り返しているにもかかわらず、蓄積されている実感がない状態を指します。

評価機関ごとに異なる質問に対応し、締切に追われながらデータを提出し、結果を見て修正する。このサイクルが毎年繰り返されることで、ESGは価値創出ではなく対応業務として認識されてしまいます。

本来、ESGは企業価値を説明するための重要な情報です。しかし現場では、その前段階であるデータ整理に多くの時間が費やされ、経営との接続まで踏み込めない状況が生まれています。

ここで重要なのは、この問題は担当者の努力では解決できないという点です。構造が同じである限り、同じ疲弊が繰り返されます。



データ分散と属人化がもたらすリスク

この状態が続くと、負担の問題はやがてリスクへと変わります。

まず、データの信頼性が揺らぎます。部署ごとに定義や集計方法が異なる中でデータを統合するため、整合性の担保が難しくなります。結果として、同じ指標でも数値が変わるといった事態が発生します。

また、業務が経験依存になりやすく、特定の担当者にノウハウが集中します。担当者が変わると対応水準が維持できないというリスクも生まれます。

さらに重要なのは、こうして集められたデータが経営に活用されにくい点です。分散し、更新が遅れ、整合性に課題があるデータは、意思決定の材料として機能しません。

つまりこのままでは、ESGは「開示のための情報」にとどまり、経営資産にはなり得ないのです。



自動化が変えるのは「作業」ではなく「構造」

こうした課題に対する解決策として、自動化が注目されています。

ここでいう自動化は、単なる効率化ではありません。業務の構造そのものを変えるものです。

従来は、必要なときにデータを集める「イベント型」でしたが、自動化によってデータは常時蓄積される「基盤型」へと変わります。これにより、回収業務そのものが不要になります。

さらに、分散していたデータを一元化することで、整合性と更新性が担保されます。データを探すのではなく、必要なときにすぐ使える状態が実現します。

そして重要なのは、データがそのまま使える状態になることです。基準との対応付けや開示フォーマットへの変換までが仕組み化されることで、再加工の手間が大幅に削減されます。



なぜExcelでは限界があるのか

ここで一度立ち止まり、「Excelで十分ではないか」という問いに向き合う必要があります。

結論として、Excelは初期対応には適していますが、継続運用には限界があります。

Excelは表としての管理には優れていますが、データ同士の関係性や履歴管理、複数の基準との対応付けを扱うには構造的な制約があります。データが増えるほど管理は複雑になり、ミスのリスクも高まります。

また、別用途への転用時には結局手作業が必要になり、再利用性が低いという問題もあります。

そして何より、ESG対応は今後確実に拡大していきます。対象範囲や関係部署が増える中で、Excel中心の運用はスケールしません。

つまりExcelは「今を回す」ためのツールであり、「将来に耐える仕組み」ではないのです。


従来の管理手法とデジタルツールの比較
従来の管理手法とデジタルツールの比較



RIMMが実現するESGデータ管理

こうしたESG対応の構造的な課題に対して、RIMMが提供するのが、myCSOを中核としたAI×ESGプラットフォームです。

myCSOは、単なるESG管理ツールや開示支援ツールではありません。企業ごとに最適化された「専属デジタルCSO」として、ESG推進における意思決定と実務の両方を支える基盤です。

これまでのESG対応では、担当者が基準を読み解き、各部署に依頼し、データを集め、文章を作成し、整合性を確認するという一連のプロセスを、ほぼ手作業で回してきました。

myCSOは、この一連の流れを「分断された作業」ではなく、「一つの構造」として設計し直します。その結果、ESG対応は属人的な業務から、再現性のある仕組みへと変わっていきます。

特に、SSBJやIFRS S1・S2への対応においては、開示項目の整理からドラフト作成、基準との整合性確認までを一貫して支援することで、「対応できているか分からない」という不安を解消し、企業が自信を持って開示できる状態をつくります。

その具体的な価値は、次の3点に集約されます。


・開示対応の「設計」を自動化

基準を選択するだけで開示項目を構造化し、担当部門までマッピング。プロジェクト全体の見通しを早期に可視化




作業負担の大幅削減と一貫性の確保

既存資料をもとにAIが開示ドラフトを生成。ゼロから作る必要がなくなり、内容のブレも抑制


・基準適合性の仕組み化

開示内容が基準に沿っているかを自動チェック。不足や改善ポイントも可視化され、品質担保を内製化



さらに重要なのは、これらが単なる効率化にとどまらない点です。

ESGデータを一元的に蓄積・管理することで、開示対応だけでなく、マテリアリティ分析や他社比較、将来リスクの把握といった経営判断にも活用できるようになります。





つまり、ESG対応は「やらなければならない業務」から、「意思決定に使える経営資産」へと変わっていきます。

Excelでの管理は、一時的には柔軟で便利に見えます。しかし、データの蓄積、再利用、基準との整合性確認といった観点では限界があります。

myCSOは、既存の資料や運用を活かしながら、その限界を乗り越え、ESGを継続的に活用できる「経営資産」へと進化させる基盤です。

ESG対応を「頑張って回す業務」から「仕組みで回る状態」へ。それが、RIMMが実現するESGデータ管理です。



ESGを経営資産に変えるために

ESGの本質は、開示ではありません。企業価値の説明です。

そのためには、データが正確であり、継続的に管理され、経営と接続されている必要があります。

これは、担当者の努力だけでは実現できません。仕組みとして成立して初めて機能します。

ESGを負担として捉えるか、経営資産として活用するか。その分岐点は、データ管理のあり方にあります。



おわりに

ESG対応が面倒なのは、個人の問題ではありません。構造の問題です。

そして構造は変えられます。

今求められているのは、頑張り続けることではなく、やり方を変えることです。

ESGを対応業務のままにするのか、それとも企業価値を高める基盤に変えるのか。

その選択が、これからの企業の競争力を左右していきます。


お問い合わせ

株式会社RIMM Japan

https://www.rimm-japan.com/contact


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